Harmony入会のきっかけ編(家族との別れ16)
前回からの続き
翌朝、いよいよ今日で帰国、身支度をし、最後に子供たちと遊び、その後キッチンで妻から黄色い紙を渡された、そこにはアルファベットでSkype その下にアドレス「このアドレスで子供たちと連絡をして」と妻が言う。
「どうして、帰ってくるならこんなもの必要ないじゃないか」と私。
妻は「帰らない」。
この時、私は心の中で「私は失敗したんだ……。 家族を呼び寄せる事を」これを痛感した。
こうなる事は、予想をしていたが遂に現実になってしまった。
もう二度と、家族の為に買った一軒家のリビングで子供たちが二人で遊ぶ姿は見る事ができない。
休みの日に家族で一緒に行った、ショッピングモールにも行けない。
もう直ぐ、暖かくなったら下の子も連れて行こうと思っていた、近所の大きな公園も一度も行けずに、この家族はもう終わってしまう。
ほんとうに、これが現実なのか。
よくドラマで、「悪い夢なら早く覚めて欲しい」こんな言葉が、セリフの中に出てくるが、この時は、私も本当にその言葉が自然と自分の中から溢れ出てくるのを実感した。
次に、私が思わず言ってしまった事は、下の子の名前を言い、「○○○だけでもくれないか」この時の私は、「上の子はもうある程度大きくなってしまったから無理であろう、でも下の子はまだ小さい、だから連れて帰れるかもしれない、まだ母に対する認識や思いも軽い」こんな事を考えてしまった、今思うと、どうかしている、かなり動揺していたのだろう、ロシアに迎えに行く前から、「妻が帰ってこなければあきらめるしかない」と思っていた。
それは、子どもは、私がどんなに愛していようと、やっぱり「ママがいい」と言うであろう、ここは父親の辛い所だ、そして会社に勤めながら子育て、これも難しいであろう、ましては、「たった二人の姉妹を引き離す」こんな事もできない、最初の子供が女の子で生まれた時、次も絶対に女の子が良いと思っていた、なぜなら、私達の子供は見た目に分かるハーフである、そして子供のパパもママも、ハーフとして生まれて来た事は一度もない、だからこの子の気持ちを理解できるのはこの子の姉妹だけなのだ。
だから次も絶対に女の子が良い、このように思っていて生まれてきてくれた姉妹を引き離せるわけがない、ロシアでも見た目に分かるハーフなのだ。
次回へ続く。