Harmony入会のきっかけ編(家族との別れ23)


前回からの続き

一緒に遊んで思い出を作ろう。

最初の日は、そのまま、子供と家で遊んだ。

紙でできた組み立て式のウサギの耳の帽子、私が組み立てた、これを二人とも気に入り、二人でかぶる、その姿が姉妹という感じがして、とても可愛らしい、子供におそろいの服を着せたり買ってあげたりする前に行ってしまった、だからこれが初めてのおそろいの物を身に着けている姿だった、まさかこんな事になるとは、離れ離れになってしまうとは思っていなかった、だから、おそろいの物をあの時買おうとも思はなかった。

このウサギの帽子は、おもちゃ屋さんで、子供におもちゃを選んでいる時に、レジの横に無料で置いてあったのを貰ってきたものだ、「何か雑誌の付録のあまりかな」と思いながらも、「かさばらないし、子供には何がうけるか分からない」と思い、ついでに袋に入れてきたものだ。

ちょっとした思い付きで持ってきたものだが、こんな意外な思いに、私が浸ることになるとは、人の運命とは、ちょっとした事、ちょっとした物、ちょっとしたすれ違い、ちょっとした出会いで、変わっていってしまう物なのかな、人生何が有るか分からないな…..。

下の子が私の買って行った、飴玉を気に入り何個も食べてしまう。すると妻が、子供の手の届かない場所へ飴の入った瓶を乗せてしまった。

下の子は、妻の目を盗んで、私におねだりをする、飴の入った瓶を指さし「タストー」 と言う、もちろんロシア語なので私には言葉は分からないが、明らかに「飴玉を取って欲しい」という意味だ。

私も我慢など出来ずに、飴玉を取って子供にあげてしまう、三個目の時に妻に見つかってしまう、「もうやめて、三つも食べたでしょう」どうやら妻は最初から分かっていたようだ、それはそうである、姿は見えなくても、声は聞こえている、私には子供のロシア語は分からないので、妻にも悟られていないつもりであったが、妻には子供のロシア語が分かるのだ。

子供が何を私に言っているか聞こえているのだ、私は自分が子供の言葉を理解できずに子供のしぐさで判断し、妻にそれを見られていないので、妻にも分からないと錯覚していたのだ。

「そうか、家族で自分だけがロシア語が分からないんだ…….。」一年半は、私にはつらく長い時間であったが、大人にはあっという間である、しかし子供は確実に成長している。家族はどんどん私の遠い所へ行ってしまう感じがした。とてもとても寂しい、もう二度ともとの家族には戻れないかな。

次回へ続く。

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